平成22年6月21日
証券取引等監視委員会
日本ビクター株式会社及びJVC・ケンウッド・ホールディングス株式会社に係る有価証券報告書等の虚偽記載に係る課徴金納付命令勧告について
-  1.勧告の内容 証券取引等監視委員会は、日本ビクター株式会社及びJVC・ケンウッド・ホールディングス株式会社に係る有価証券報告書等の虚偽記載について検査した結果、下記のとおり法令違反の事実が認められたので、本日、内閣総理大臣及び金融庁長官に対して、金融庁設置法第20条第1項の規定に基づき、課徴金納付命令を発出するよう勧告を行った。 
-  2.法令違反の事実関係及び課徴金の額の計算 (1) 日本ビクター株式会社 -   日本ビクター株式会社は、関東財務局長に対し、下表のとおり、金融商品取引法(平成20年法律第65号による改正前のもの。以下「旧金融商品取引法」という。)第172条の2第1項及び第2項に規定する「重要な事項につき虚偽の記載がある」有価証券報告書等を提出したものである。 日本ビクター株式会社は、関東財務局長に対し、下表のとおり、金融商品取引法(平成20年法律第65号による改正前のもの。以下「旧金融商品取引法」という。)第172条の2第1項及び第2項に規定する「重要な事項につき虚偽の記載がある」有価証券報告書等を提出したものである。
 番号 開示書類 虚偽記載 提出日 書類 会計期間 財務計算に 
 関する書類内容(注) 事由 1 平成19年 
 6月27日第118期事業年度連結会計期間に係る有価証券報告書(平成19年3月期有価証券報告書) 平成18年4月1日~平成19年3月31日の連結会計期間 連結 
 損益計算書連結当期純損益が▲12,531百万円であるところを▲7,891百万円と記載 ・減損損失の不計上 
 ・費用の過少計上
 ・引当金の過少計上
 等2 平成20年 
 12月26日第120期事業年度中間連結会計期間に係る半期報告書(平成20年9月中間期半期報告書) 平成20年4月1日~平成20年9月30日の中間連結会計期間 中間連結 
 損益計算書連結中間純損益が▲12,155百万円であるところを▲8,095百万円と記載 ・費用の過少計上 
 ・引当金の過少計上
 等3 平成21年 
 6月24日第120期事業年度連結会計期間に係る有価証券報告書(平成21年3月期有価証券報告書) 平成20年4月1日~平成21年3月31日の連結会計期間 連結 
 損益計算書連結経常損益が▲16,520百万円であるところを▲10,307百万円と記載 
 連結当期純損益が▲33,336百万円であるところを▲24,350百万円と記載・減損損失の不計上 
 ・費用の過少計上
 ・引当金の過少計上
 等(注)金額は百万円未満切捨てである。また、▲は損失であることを示す。 -   日本ビクター株式会社は、関東財務局長に対し、平成19年7月24日、平成19年3月期有価証券報告書を参照書類とする有価証券届出書を提出し、同有価証券届出書に基づく募集により、同年8月10日、107,693,000株の株券を35,000,225,000円で取得させた。 日本ビクター株式会社は、関東財務局長に対し、平成19年7月24日、平成19年3月期有価証券報告書を参照書類とする有価証券届出書を提出し、同有価証券届出書に基づく募集により、同年8月10日、107,693,000株の株券を35,000,225,000円で取得させた。同社が行った上記の行為は、旧金融商品取引法第172条第1項第1号に規定する「重要な事項につき虚偽の記載がある」発行開示書類に基づく募集により有価証券を取得させた行為に該当すると認められる。 
 -   課徴金の額の計算 課徴金の額の計算上記の違法行為に対し金融商品取引法に基づき納付を命じられる課徴金の額は、7億760万円である。 
 -  ア 旧金融商品取引法第172条の2第1項の規定により、平成19年3月期有価証券報告書に係る課徴金は、 -  (ア) 当該法人が発行する算定基準有価証券の市場価額の総額に10万分の3を乗じて得た額(4,608,547円) が (イ) 3,000,000円 を超えることから、4,608,547円について、金融商品取引法第176条第2項の規定により、1万円未満の端数を切り捨てて4,600,000円となる。 
 イ 旧金融商品取引法第172条の2第1項及び第2項の規定により、平成20年9月中間期半期報告書及び平成21年3月期有価証券報告書に係る課徴金について、個別決定ごとの算出額は、 -  (ア) 当該法人が発行する算定基準有価証券の市場価額の総額に10万分の3を乗じて得た額(2,310,773円) が (イ) 3,000,000円 を超えないことから、 同半期報告書については、1,500,000円 同有価証券報告書については、3,000,000円 となる。 ここで、これらの書類が同一の事業年度に係るものであることから、金融商品取引法第185条の7第6項の規定により、下記のとおり300万円を個別決定ごとの算出額に基づき按分した金額が課徴金の額となる。 平成20年9月中間期半期報告書に係る課徴金の額は 1,000,000円 平成21年3月期有価証券報告書に係る課徴金の額は 2,000,000円 
 ウ 旧金融商品取引法第172条第1項第1号の規定により、重要な事項につき虚偽の記載がある発行開示書類に基づく募集により取得させた株券等の発行価額の総額の100分の2に相当する額が課徴金の額となることから、 -  平成19年7月24日提出の有価証券届出書に係る課徴金の額は、 35,000,225,000円×2/100=700,004,500円 について、金融商品取引法第176条第2項の規定により1万円未満を切り捨てて、700,000,000円 となる。 
 
-  
 (2) JVC・ケンウッド・ホールディングス株式会社 -   JVC・ケンウッド・ホールディングス株式会社は、関東財務局長に対し、下表のとおり、旧金融商品取引法第172条の2第1項及び第2項に規定する「重要な事項につき虚偽の記載がある」有価証券報告書等を提出したものである。 JVC・ケンウッド・ホールディングス株式会社は、関東財務局長に対し、下表のとおり、旧金融商品取引法第172条の2第1項及び第2項に規定する「重要な事項につき虚偽の記載がある」有価証券報告書等を提出したものである。
 番号 開示書類 虚偽記載 提出日 書類 会計期間 財務計算に 
 関する書類内容(注) 事由 1 平成21年 
 2月12日第1期事業年度第3四半期連結会計期間に係る四半期報告書(平成20年12月第3四半期四半期報告書) 平成20年4月1日~平成20年12月31日の第3四半期連結累計期間 四半期連結 
 損益計算書連結四半期純損益が▲11,065百万円であるところを▲3,337百万円と記載 ・負ののれんの計上及び償却による利益の過大計上並びに正ののれんの不計上及び一括償却による損失の不計上 
 ・費用の過少計上
 等2 平成21年 
 6月24日第1期事業年度連結会計期間に係る有価証券報告書(平成21年3月期有価証券報告書) 平成20年4月1日~平成21年3月31日の連結会計期間 連結 
 損益計算書連結当期純損益が▲30,734百万円であるところを▲18,795百万円と記載 ・負ののれんの計上及び償却による利益の過大計上並びに正ののれんの不計上及び一括償却による損失の不計上 
 ・減損損失の不計上
 ・費用の過少計上
 等(注)金額は百万円未満切捨てである。また、▲は損失であることを示す。 -   JVC・ケンウッド・ホールディングス株式会社は、関東財務局長に対し、下表のとおり、金融商品取引法第172条の2第1項第1号に規定する「重要な事項につき虚偽の記載がある」有価証券届出書を提出し、同有価証券届出書に基づく募集により、平成21年7月28日、320個の新株予約権証券を18,580,884,000円(新株予約権の行使に際して払い込むべき金額を含む。)で取得させたものである。 JVC・ケンウッド・ホールディングス株式会社は、関東財務局長に対し、下表のとおり、金融商品取引法第172条の2第1項第1号に規定する「重要な事項につき虚偽の記載がある」有価証券届出書を提出し、同有価証券届出書に基づく募集により、平成21年7月28日、320個の新株予約権証券を18,580,884,000円(新株予約権の行使に際して払い込むべき金額を含む。)で取得させたものである。
 提出日 書類 虚偽記載 会計期間 財務計算に 
 関する書類内容(注) 事由 平成21年 
 7月10日有価証券 
 届出書平成20年4月1日~平成21年3月31日の連結会計期間 連結 
 損益計算書連結当期純損益が▲30,734百万円であるところを▲18,795百万円と記載 ・負ののれんの計上及び償却による利益の過大計上並びに正ののれんの不計上及び一括償却による損失の不計上 
 ・減損損失の不計上
 ・費用の過少計上
 等(注)金額は百万円未満切捨てである。また、▲は損失であることを示す。 -   課徴金の額の計算 課徴金の額の計算上記の違法行為に対し金融商品取引法に基づき納付を命じられる課徴金の額は、8億3,913万円である。 
 -  ア 旧金融商品取引法第172条の2第1項及び第2項の規定により、平成20年12月第3四半期四半期報告書及び平成21年3月期有価証券報告書に係る課徴金について、個別決定ごとの算出額は、 -  (ア) 当該法人が発行する算定基準有価証券の市場価額の総額に10万分の3を乗じて得た額(1,348,627円) が (イ) 3,000,000円 を超えないことから、 平成20年12月第3四半期四半期報告書については、1,500,000円 同有価証券報告書については、3,000,000円 となる。 ここで、これらの書類が同一の事業年度に係るものであることから、金融商品取引法第185条の7第6項の規定により、下記のとおり300万円を個別決定ごとの算出額に基づき按分した金額が課徴金の額となる。 平成20年12月第3四半期四半期報告書に係る課徴金の額は 1,000,000円 平成21年3月期有価証券報告書に係る課徴金の額は 2,000,000円 
 イ 金融商品取引法第172条の2第1項第1号の規定により、重要な事項につき虚偽の記載がある発行開示書類に基づく募集により取得させた株券等の発行価額の総額の100分の4.5に相当する額が課徴金の額となることから、 -  平成21年7月10日提出の有価証券届出書に係る課徴金の額は、 18,580,884,000円×4.5/100=836,139,780円 について、金融商品取引法第176条第2項の規定により1万円未満を切り捨てて、836,130,000円 となる。 
 
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